頚椎が重要な理由
人間の背骨を解剖していくと、頚椎は他の椎骨と比べて大きく構造が違います。
それは血管通る孔が開いているところです。その孔を通る血管が椎骨動脈と言います。
心臓から大動脈へ送り出された血液は分岐して脳の脳幹や小脳へ行きます。その血液が流れるのが椎骨動脈です。
脳へ栄養を届ける血管なので血流が悪くなるとめまいや頭痛など脳に悪影響を及ぼします。
とても重要な血管のため頚椎の中を通ることによって、守られているのです。
しかし、頚椎の上部を見てみると、C2※から出た椎骨動脈がC1※へ向かって直角に曲がっており、そして直角に曲がって頭へ向かっています。
椎骨動脈は構造上、頚椎の歪みの影響を受けやすいのです。
むち打ち症や首に歪みがある人は正常な人よりも、椎骨動脈へのストレスがかかりやすいです。
慢性的に椎骨動脈へストレスがかかった場合、頚椎周辺の筋肉を固め、これ以上ストレスが強くならないようにします。
こうして起こった首のコリを緩めてしまうと、頚椎の支えが無くなり、椎骨動脈にストレスがかかりめまいを起こすのです。
筋肉の緊張、コリや張りが起こるのは理由があります。
凝ったから、張ったからと言って、一時的にそこを緩めるだけでは根本的に解決はしません。
それどころか、より複雑な問題に発展することが多いです。
治療家はしっかりと、何故筋肉が緊張状態にあるのか、頚椎をどの方向へアジャストすればストレスが無いかを見極めて、施術をしなくてはいけません。
また、頚椎を歪めている原因は骨盤や背骨など、他の影響を受けやすい部位でもあります。
全身のバランスから、頸椎にかかる負担を軽減させるように調整するには、骨格全体の専門的な知識が必要です。
患部のみの治療やほぐすだけでは、根本的な解決にはなりません。
※C2 頚椎の上からの2番目の椎骨
※C1 頚椎の一番上の骨 環椎
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