カイロプラクティックのレシピ(その7)
- 久喜市のカイロプラクティック
- 4月20日
- 読了時間: 3分
更新日:4月25日
カイロプラクティックのレシピ(その7)
どんな状況でも、諦める必要はありません。どんなに全力で挑んでも、自分一人の力では敵わないことがあります。それでも、道は必ずあります。「神様は、乗り越えられない試練は与えない」という言葉を信じて。
海外の拠点に着き、いよいよ施術を始めました。しかし、待てども待てども、一向にお客様が来ません。受けに来てくれた方は皆、満足して帰ってくださるのですが、客足は伸びないまま。
「私は森林先生の代わりに来ているのだから、先生だったらこうするはず。先生ならこう言うはず……」 そんな思いに縛られていたのかもしれません。もし私の代で、この事業を潰してしまったら。焦りばかりが募っていきました。
出張も終盤に差し掛かった頃、現地の事業を切り盛りする女性オーナーに呼ばれました。彼女は私を真っ直ぐに見つめ、こう言いました。
「出張もあと数日ね。最後はもう、あなたの好きなようにやっていいわ。とにかく、今のあなたの全力を私に見せて」
自分の中では、もうこれ以上ないほど全力で取り組んできたつもりでした。「これ以上、一体どうすればいいというんだ」――。 そこで私は、ふと憑き物が落ちたように、気持ちを切り替えたのです。
これまでは「師匠ならどうするか」という影ばかりを追いかけてきました。それを一度捨て、「今、目の前にいる人に、今の私ができることを全力で」。そう、腹を括ったのです。
奇跡というのは、一瞬にして起こるものでした。 お客様の反応が劇的に変わったのです。人が人を呼び、その日のうちに施術所の前には行列ができました。夜の12時を過ぎても、その列が途切れることはありませんでした。
オーナーは心から喜んでくださり、盛大なもてなしと共に、「ぜひまた来てほしい」と何度も私の手を取って感謝を伝えてくれました。
帰りの飛行機の中、私はずっと大号泣していました。
帰国後、すぐに師匠へ電話を入れました。 「師匠、大成功でした!」 師匠は自分のことのように喜んでくれました。 「良かったねぇ。次は私も絶対に元気になって、一緒に行くからね」
しかし、その約束を交わしてから間もなくのことです。師匠の病態が急変しました。
私は師匠が入院している病院へと急ぎました。 病室に入り、師匠の姿を見た瞬間、「ああ、もう時間がないんだ」と悟りました。
私は初めて、師匠と腹を割って話をしました。 師匠も、かつて私が疎遠になっていた時期のことを「実はあの時、怒っていたんだよ」と本心で語ってくれました。そして最後に、師匠はこう言ったのです。
「あの時、何もしてあげられなくて、ごめんね」
その言葉を聞いた瞬間、胸が締め付けられました。「やってしまった」と思いました。師匠に、こんな謝罪の言葉を言わせてはいけない。
「師匠、違います」 「私が今、こうしてたくさんのお客様に恵まれ、仕事ができ、仲間も増えた。私の今があるのは、間違いなく師匠がいてくださったからですよ」
それが、師匠と交わした最後の言葉となりました。



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